ぼくと世界とキミ

「……って……私だって消えたくない!!ずっと貴方の傍に居たかった!でも私の願いはいくら願っても叶わないのよ!!だからせめて私の愛した世界を守りたいの!貴方の生きる世界だけは守りたいのよ!!」

……泣いている。

セリアの瞳からポロポロと涙が零れ落ちる。

その涙は悲しく……そして美しい光を放ち静かに闇へと呑み込まれていく。

彼女を泣かせているのは俺だ。

彼女の願いを叶えてやれない俺なんだ。

……俺はやらなくてはならない。

……愛しい彼女のために。
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