ぼくと世界とキミ
腕で涙を拭うと、真っ直ぐに剣を構える。
……愛しい彼女に向けて。
そっと瞳を閉じると、今までの出来事が鮮明に蘇った。
初めて出会った時の眩しい笑顔。
時折見せた、寂しげな横顔。
流れた涙。
抱きしめた温もり。
彼女との全ての出来事が鮮明に蘇る。
彼女と見た海。
共に感じた風。
約束の場所。
彼女の愛した世界。
……守らなければ。
ゆっくりと瞳を開き、真っ直ぐにセリアを見つめる。
セリアは俺の気持ちが分かるかの様に、小さく頷き……そして笑った。
その瞬間走り出した。
……愛しい彼女に向って。