ぼくと世界とキミ

ふと森で出会った妖精の少女の事を思い出した。

何かの犠牲の上に幸せは成り立つ。

全てのモノが幸せになる道など無い。

俺は彼女を犠牲にする事で……世界を救ったんだ。



兵士達がそれぞれに手を取り合い喜んでいる姿が見えた。

皆、嬉しそうに世界が救われた事に歓声を漏らし、口々に勇者を称え続ける。

……しかし、俺の心には何も届かない。

心は消えゆく淡く美しい光に囚われたまま……
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