ぼくと世界とキミ

「これが……俺の運命だった」

そう小さく呟くと、そっと世界樹を見上げる。

世界樹の葉が風に揺れさわさわと囁く。

(……ロイ)

その囁きの中に……彼女の声が聞こえた気がした。

握り締めていた指輪を見つめる。

クリスタルの指輪が……まるで自らの心を映すかの様に悲しく光った。

指輪を強く、強く握り締める。




「俺も愛してるよ……セリア」

そう呟き静かに瞳を閉じると……俺の頬を音も無く涙が流れて行った。
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