遠距離恋愛
「・・・ん」
まだ重たい目を開ける。
目の前には愛しいあなたが。
「はよ、由愛。」
「ぉ、おはよ、隼人。」
布団の中を見れば、昨日のできことが鮮明に思い出されて・・・。
由愛は一人、顔を赤くした。
「何、昨日の事思い出してんの?」
意地悪く笑う隼人。
っ!!
「そんなんじゃ、ない・・・よ?」
「ぁっそ。」
「ぁっそ、って何っ?!」
「別に、面白くないなぁって」
「ぁっそ。」
ぁ、また隼人クスッて笑った!!
何ていうか・・・半年会わないうちに、意地悪になった?って感じ。
「なぁ、キスしていいか?」
いきなりそんなことを聞く隼人。
ちょっと戸惑う・・・。
「ぇ、ぁ、うん。」
あたしが答えると、隼人はニコッと笑って、ほっぺにキスした。
「・・・それ、だけ?」
ちょっと予想外で・・・本当はもっとして欲しい。
「俺とキスしたいんだったら、由愛からして?」
ぁ、あたしからっ?!
「無理無理無理無理!!!」
「なんで?」
「だ、だって!!ちょー恥ずかしいじゃん!!!」
そうだよ・・・無理だよ・・・。
あたしは隼人に背中を向けた。
「じゃぁ、俺ら一生キスできないかもな。」
えっ・・・。
それはイヤ、かも・・・。
「・・・ちょっとでいい?」
後ろを向きながら、少しだけ・・・と思って聞くあたし。
「ん。」
隼人は唇をあたしの方に向けた。
思い切って振り返ってキスをする。
ちょっとだけ、チュッて音がした。