遠距離恋愛
リビングのソファに3人で座る。
「なぁ、何かしようぜ?」
「っていうか、この家、久しぶりだな。」
「何にも変わってないでしょ?」
「まぁな。」
特にしたい事も、する事もなく、3人は話込んでいた(拓也はつまらなそうだったけど・・・)。
「ねぇ、覚えてる?」
ふと、小さい頃のことを思い出したあたしは、2人に聞いてみた。
「何のこと?」
「ぁのさ・・・」
あたしと拓也が小学4年生の時で、隼人が6年生の時。
一緒に東京の遊園地に行ったんだよね?
その時さ、隼人と拓也、どっちがあたしの隣の席に座るかでケンカになって。
結局、じゃんけんで勝ったのは拓也だった。
「あの時のこっわ~い隼人の顔、今でもあたし覚えてるもん!!」
「ぁ、俺も覚えてる。」
「そんなこと、あったか?」
拓也は覚えてるみたいだけど・・・隼人は覚えてない様子。
「あの後、俺、めっちゃ兄貴に怒られたんだぜ?『何で、お前が由愛の隣に座ってるんだよ』ってさ」
「そう、だったの?」
あたしが聞くと、隼人は赤い顔を隠すように「知らねぇよ、そんなこと。」ってそっぽを向いた。