遠距離恋愛

また、部屋に引きこもる日々が続く。

あれから1度も隼人からの連絡も、拓也からの連絡もない。

ただ一つこの前と変わったこと。

それは、あたしが毎日隼人の電話をならしていることだった。


毎日、毎日、
隼人の携帯に電話を掛ける。

毎日、毎日、
留守電に入れる。


その時のあたしには、着信拒否されてないことだけが唯一の救いだった。


そして、今日もまた、いつもの様に電話を掛ける。

そして、今日もまた、いつもの様に留守電に入れる・・・

そして、今日もまた、『ピーという発信音の後に、20秒以内にお名前と用件をお伝えください。』という、機械音を聞く。


そして、今日もまた、あたしは携帯にメッセージを残す。



「隼人??これ、聞いてる??隼人が電話掛けてこない理由、あたし聞いたよ。隼人があたしのこと嫌いになったなら、そう言って。もう、こんなこともやめるから。お願い、電話にだけでも出てよ。隼人の声、聞きたいよ。お願・・・」


――ピー


そして、今日もまた、いつもの様にメッセージは途中で切れた・・・






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