遠距離恋愛

相変わらず鳴り続ける携帯。

でも、1度も出てない。

由愛を傷つけたのは俺なのに、ここで電話に出たら余計に戻りたくなるから。

もう・・・あの頃には戻れないから。


そんなことを一人で考えている時、部屋のドアを叩く音が聞こえた。

「はい。」

短く返事をする。

俺の部屋にはめったに客なんて来ねぇし・・・誰だ??

「・・・兄貴、話しがあるんだけど。」

・・・、拓也か。

「入れば??」

ドアノブをひねり、真剣な顔つきで部屋に入ってくる拓也。


しばらくの沈黙・・・。


「なぁ、兄貴。いつまでそうやっているつもり??」

はぁ??

拓也を睨みつける。

「推薦落ちたからってなんだよ?!由愛のこと、もっとちゃんと考えろよ!!!」

「お前には俺の気持ちなんて分かんねぇんだよ!!!知ったような事言ってんじゃねぇよ!!!」

なんだょ・・・

何にも知らなねぇクセに・・・


< 56 / 80 >

この作品をシェア

pagetop