遠距離恋愛
相変わらず鳴り続ける携帯。
でも、1度も出てない。
由愛を傷つけたのは俺なのに、ここで電話に出たら余計に戻りたくなるから。
もう・・・あの頃には戻れないから。
そんなことを一人で考えている時、部屋のドアを叩く音が聞こえた。
「はい。」
短く返事をする。
俺の部屋にはめったに客なんて来ねぇし・・・誰だ??
「・・・兄貴、話しがあるんだけど。」
・・・、拓也か。
「入れば??」
ドアノブをひねり、真剣な顔つきで部屋に入ってくる拓也。
しばらくの沈黙・・・。
「なぁ、兄貴。いつまでそうやっているつもり??」
はぁ??
拓也を睨みつける。
「推薦落ちたからってなんだよ?!由愛のこと、もっとちゃんと考えろよ!!!」
「お前には俺の気持ちなんて分かんねぇんだよ!!!知ったような事言ってんじゃねぇよ!!!」
なんだょ・・・
何にも知らなねぇクセに・・・