遠距離恋愛

俺と拓也は睨みあったまま目を離さない。


その時、タイミング悪く拓也の携帯が鳴った。


俺の目を見たまま携帯を取る拓也。


携帯から聞こえてきた声・・・・それは、

「もしもし、拓也??」

元気そうな由愛の、

あの頃と変わらない由愛の・・・声だった。


「おぅ。元気そうじゃん??」

「ぅん、もう大丈夫だよ。」

「そう??」

「いろいろ拓也には助けてもらっちゃったしね。今度、何か買ってあげるよ。」

「じゃぁ、楽しみにしてるわ。」

「安いのしか買えないけどね。」

「全然いいよ。」

「ふふ。」


俺の目の前で笑顔で話す拓也と、

きっと笑顔で電話を掛けてきた由愛。


何で、俺じゃないんだよ??


二人の会話に耳を塞ぎたくなった。

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