遠距離恋愛

「早く、お父さん早く!!!」

「そんなこと言ったって、これは無理だろう。」


――車の中。

せっかく空港に着いたのに、駐車場には常に【満】の文字が表示されている。


「早く入れてよ!!隼人、もう着いてるんだから」

「なら由愛、すぐそこなんだから走って行けばいいじゃない。」

きっとお母さんは、冗談で言ったつもりだったんだろうけど。

「じゃぁ、お先に。」

あたしは急いで車を飛び降りた。




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