遠距離恋愛
ぇっと・・・
どこ、ここ??
隼人は??
広い空港で道に迷ったあたし。
こんなの分かるわけない!!!
ただでさえ、方向音痴なのに・・・。
手に持った空港のパンフレットを見つめる。
ヤバい・・・涙出てきそう。
あたしはただ、隼人に会いたいだけなのに。
視線を下に落として、歩くのを止める。
その時、男の人に声を掛けられた。
あたしは泣きそうになってる顔を見られたくなくって俯いたまま。
「お姫様、誰をお探しでしょうか??」
あたしは一瞬、耳を疑った。
そして、パッと顔を上げる。
「隼人!!!!」
そう。
その男の人。
それは隼人だった。
「何、一人で泣きそうになっちゃってんの??」
「だって・・・隼人のいるとこ・・・」
「さっき、おばさんから電話があったんだ。由愛が本当に走って行っちゃったけど、あの子方向音痴だからって。」
・・・お母さん・・。
「半年ぶりの再会がこれかよ。そんな顔してたら、由愛の可愛い顔が崩れちゃうじゃん。」
・・・隼人・・。
「もう、バカ。」
あたしは隼人にギュっと抱きついた。