You are my best
「香恋...誕生日おめでとう...。」

樹が言ったんだ。

...そうか。日付が変わったってことは

今日はあたしの誕生日。

樹...覚えててくれたんだ。

そう想うと言葉が出ない。

大好きな人に誕生日を祝ってもらえる、

こんな贅沢...あたししていいのかな...。

「...香恋??聞こえた??」

「...ばっちり聞こえたよお...!!ありがとう...!!」

涙でかすれた声で、精一杯の愛を込めて

そう言った。

それからもしばらく話した。

時間なんて忘れちゃうくらい...。

「じゃあ...そろそろ切るね。またあしたね。」

もっと話していたいけど、

これ以上話してたら

お母さんにケータイ没収されちゃうから...。


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