ねぇ…好き。
・ねぇ…好き。
【 優奈:side 】
そして…今日はクリスマス・イブ。
あたしは研究室には顔を出さず……。
右手にケーキが2つだけ入った小さな箱を持って、賑やかな街を歩いていた。
通り過ぎていく眩しいくらいの笑顔…いっぱいの人たち。
いつも歩いている同じ道なのに
なんで、こんなにも1人ぼっちだと…寂しいのかなぁ?
今夜、1人で過ごすことをケイにバレたくなくて、強がりで買った…つやつやの苺がのった2つのショートケーキ。
きっと1人で2人分のケーキを食べる方が…もっと悲しくなるのに。
「ケイ…あたし、ウソついちゃった」