ねぇ…好き。
そう言ったケイを涙目で見ると、ケイの足元にいつもは1本か2本くらいしか吸わないのにタバコの吸いがらがたくさん落ちていた。
いつから、ここで待ってたの?
どうして、ここにいるの?
ただ期待させるだけの…見せかけだけの優しさなんていらないのに。
「あたしのことは、ほっといてよ!」
「ほっとけるわけねぇだろ」
ケイがそう言い放った瞬間。
目の前に伸びてきた長い腕に引き寄せられ
小さな箱ごと…あたしは温かい胸の中に優しく包まれていたんだ。
「なんで…泣いてんだよ?」
心配そうな声も背中に回されている手も…その全部が愛しくて。
「あたしのこと…好きでもないのに優しくしないでよ」
余計、涙が溢れてくる。