ねぇ…好き。
気がついた時には、もう大好きになっていたんだ。
あたしの頭1つ分上にある…ケイの顔を黙って見上げる。
二階堂(にかいどう)ケイ…なんて、カッコいい名前に負けないくらいの容姿をしていて
しかもオシャレで、そのうえ性格は気さくで人気者の…ケイ。
これじゃモテないわけがない。
いつも一緒にいてもすごく不安なの。
誰かにすぐケイを取られていっちゃいそうで……。
そのキレ長の大きな瞳に、あたし1人だけが映ればいいのに──・・・
バカみたいに、そんなことをずっと思ってる。
「おい優奈?なに固まってんの?寒いのか?」
「……ううん。ねぇ…ケイ?」
「ん?」
何度も何度もケイに言いかけて、言葉を飲み込んだセリフ。
もし“伝えたい2文字”を言葉にしちゃったら、あたし達はどうなるのかな?