ねぇ…好き。

すると、オレのその言葉に、突然 優奈が歩く足を止めた。


次の瞬間、いつものようにオレの顔を見上げるかと思ったら、自分のブーツのつま先を見て…慎重に言葉を口にする。


「あの…明日ね……」


「明日がどうした?」


素っ気なく返事をしつつ、“明日”と言う単語に敏感に反応してしまった。


まさか、あるハズないと思いながらも、胸がザワザワと騒がしくなる。


いくら忘れっぽい…お前でもわかってるよな?


“明日”って言ったら、クリスマスイブだぞ??


優奈はなにをオレに言うつもり?


いろんなことを頭の中で巡らせていたら、急に優奈が俯いていた顔を上げて……。


「明日は送ってくれなくて…いいから」


「……え」
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