but you
布団に包まっている陽平の上になるべく体重をかけるようにして飛び乗った。カエルが潰れたような声がして笑ってしまった。

「痛いから……」

眉根を寄せてこちらを見た瞬間、ゲームの中でさっきまで試合をしていた人間達が落ち込んでいる様子だ。陽平のチームが負けたようだ。

「はあー負けたし」

ちょっと落ち込んだ陽平を見て、ザマーミロと思った。手を伸ばしてゲームとテレビの電源を落とした陽平がもう一度こっちを向いて

「寒いんでしょ?入れば」

捲ってくれた布団の中はやっぱり予想していた通り、暖かかった。あと、陽平の匂いがする。
陽平の方に体を向けると、腕をのばしてきた。腕枕をしてくれるという合図。だから陽平にくっついた。
そうすると徐々に体に暖かさが染み込んでいく感じがする。暖かいと幸せというか、優しい気持ちになる。

「本当につめたい」
「床に座ってたからね。クーラーの設定下げないと、いい加減風邪ひくよ」
「大丈夫だってば。もう体が適応してるって」
「てゆーか、あたしが風邪ひくわ」
「亜子も適応し始めてるでしょ」

ふふ、と柔らかく笑った。陽平と一緒にいてもあまりドキドキすることはない。けど、こういう笑い方とかは、割と、すきだなあと思う。
薄く笑ったまま顔が近づいてきて、キスをされた。段々深いものに変わっていって、陽平は私の上になって、服に手を掛けた。
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