ヴァンパイア王子
「神月・・・
いや、なんでもない。」
目の色が深いバイオレットに戻っている。
じゃああれは幻・・・?
「そんなところに座りこんでどうしたの?
っていうかなんでこんな時間に学校に・・・」
「いや、先生に頼まれごとしててな・・・
もう帰るさ・・・。」
「なんで俺と目を合わさないの?」
なんか怖くて目をあわせられないんだ・・・。
とりあえず見ていたことは黙っておかないと・・・
「いや、特に理由はないが。
というか帰ったらどうだ?
お前もなんでこんな時間までのこってるんだ?」
「・・・やっぱり見てたんだろ?」
ドキッ
ばれた!?
それに口調も違う!!
「な・・・何を・・・
っ!!」
グイッと顔を上げさせられる。
あたしの顔が映っていたのは、
バイオレットではなく真紅の目をした神月の目だった。