Wish

「何、お願いしたの?」
僕が聞くと彼女はまっすぐ前を向いたまま
優しげな声で言った

『翼が欲しい』

僕を見て寂しげな笑顔を浮かべて彼女は続けた

『そう、思ったの』

彼女は生まれつき足が悪い
その為、好きなところへ好きに行くことはできない

「僕、翼がついた香恋、みてみたいな」

僕はそう返すことしかできなかった

< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop