嫌いなアイツ
【2】
―――……
「…ん…」
1時間後。
あたしは目を覚ました。
ベッドから出て保健室を見渡すと、さっきはいなかった養護教諭の先生がいた。
「あの……」
「あぁ。目、覚めた?
頭打ったんですって?
もう大丈夫?」
「あっ、ハイ!
勝手に寝ててすみませんでした」
「いいのよ。
中村くんに全部聞いたから。
さっきまでいたんだけどね、
あたしが来たら教室戻っちゃったわ」
「あ…そうですか」
先生が来るまで、いてくれてたんだ…
「じゃあ、あたしも戻ります!
ありがとうございました!」
お礼を言って、保健室を出る。