嫌いなアイツ



「あたしと一緒にいれば平気だよ。
あんまり気にしないで!」

「う、うん…」



大丈夫かなぁ〜。





「―――あ」


果林が抜けた声をあげた。

目線はあたしの後ろ。
果林につられて、
あたしは後ろを振り返った。


「那美」

「――瑠伊」


…後ろにいたのは、瑠伊だった。
瑠伊が学校で話しかけて来るなんて、いつぶりだろう。


「頭大丈夫か?」

「ケンカ売ってんのかい」

「は?違うし。
単純に心配してやってるだけー」

ベーっと舌を出す瑠伊。


「そりゃどうもっ!」

「ははっ。
可愛くねぇー」

「うるさいなあ!」



やっぱりコイツ、ムカつく!!


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