呪い・Ⅰ〜襖〜
「鈴子さん、しましたよ。」
「目もつぶった?」
「はい。」
「なら良いの。それより……佳菜ちゃん。」
「はい?」
「大好きよ。」
素直に
嬉しかった
今まで貰った言葉の中で
一番
嬉しいものだった。
「鈴子さん…私もです!私も鈴子さんが大好きです!」
「佳菜ちゃん…本当はね、私ずっと淋しかったの。たった一人で毎日をおくってた。」
鈴子さん…。
この時の私は
あまりにも
‘鈴子さん’に
のめり込んでいた。
鈴子さんが
‘襖の内側の人’
ということを忘れて…。