御影市大新年会2009
メグはしばし硬直する。

この無表情、貝の如き無口っぷり。

「えと…貴女確か…ななみ?」

「……」

コクリ、と。

その少女、ななみは頷いた。

「あ、メグさん、お久し振り」

廊下を歩いて、黛が姿を現す。

「黛、ちょっとこれ、どういう事?貴女達機関からの逃亡の途中じゃ?」

「ええ、そうなんだけど…」

黛は恐縮する。

「せめてお正月くらいは小山田君やななみちゃんを落ち着いた場所で過ごさせてあげたくて…でも他にアテがなくて、仕方なく異形者の時に知り合ったメグさんの所へ…」

彼女達覚醒者は、常に機関からの追っ手に追われている。

匿ってもらうにはここしかないのだ。

「……」

無言でメグを見上げるななみ。

こういう目で見られては、さしものメグも突っぱねる事はできない。

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