口説いてんの?
ハート 1
古びた旅館の一室。
二間つづきの和室に布団が4つ並べてある。
彼女は彼の布団へ静かに潜り込んだ。
「二人が起きる」
「大丈夫だよ」
彼女は、右手を彼の胸から下へ降ろすと
引っかかりがあった。
「若いね?」
彼を上目遣いで見ながら
下半身の反応を楽しんでいる。
彼は顔を歪めて反抗した。
「煩い」
「じゃあ、やめる?」
彼女の手は動いていた。
耳元にキスをすると
彼も興奮を抑えられなくなり
浴衣の帯をほどき、太ももに手を這わせた。
その時「グオー」
動物のような唸り声に驚き身体を離す。
いびきが二人の夜を邪魔してしまった。