口説いてんの?

女達は圧倒されてフラフラと席に戻り

小声で話をしていた。

「薫さん、すいません」

「ううん、凪斗のせいじゃないじゃん。

 凪斗こそ大丈夫?」

「まさかこんな所で会うとは・・・

 彼女、高校の先輩です」

「うん、みんな気付いたと思うよ」

俊也に視線を送ると、頷いていたので

真太郎を探そうと反対側に

目を向けたけど真太郎が居ない。

「真太郎は?」

あそこ、と凪斗が顎で指した。

「え?なんで?」

女達の中に、真太郎が憧れていた

先輩も居たらしく

楽しそうに話をしていた。

彼女も背が高くて、ショートカットと

ジーンズがよく似合っていた。


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