口説いてんの?

俊也がタバコに火を点けて

呆れ顔で真太郎を眺めていると

リーダーがチラッと薫子に目を移し

俊也に声をかけた。

薫子は居心地が悪いし

ゲームもしていないので、その場を離れた。

トイレを済ませ、自動販売機の前の椅子に

腰を下ろし、ぼんやりしていた。

其処へ凪斗が近付いてきて隣に座り

大きく溜息を吐いた。

「シラケちゃったね?帰りたい」

「俺も帰りたいです。

 でも、一人でいたくない感じです」

「そうだろうねぇ、分かる気がする。

 帰って麻雀しよう!呼んでくる」

薫子がレーンに戻ると

何気にカップル成立みたいな雰囲気だった。

「俊也、これからどうする?」

俊也は、リーダーに耳打ちをして

ニコッ!と笑いながら答えた。


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