口説いてんの?
「真太郎達とカラオケ行く。
薫は、凪斗を送ってやって」
「あっ、そう」
薫子は短く言って踵を返した。
何よ、二人ともデレデレして
真太郎は先生狙いじゃなかったっけ?
あんたの為にみんなで
ボーリングに付き合ったのに
まぁ、あの点数だったら
優勝は出来ないだろうけど。
薫子はイライラして
近くのゴミ箱を蹴飛ばしていた。
「ああ、ムカツク!凪斗、帰るよっ!」
「俊也さんと真太郎は?」
「四人でカラオケだって!
でも、後の二人はどうするんだろう・・・
ああ、もー!!!
私が、そんな事心配してどうすんのよっ!」
薫子は大きな声で文句を言いながら
車に乗り込んだ。