口説いてんの?
留美にレジを任せて
薫子がつきっきりで教え
凪斗はそれをメモしていた。
そして、あっという間に閉店時間。
「八時だから、あがって良いぞー!」
「は~い」
留美が返事をして、凪斗を呼びにきた。
「宇佐見君も帰って良いんだよ」
「はい。ありがとうございます」
「えぇ、あたしにまで敬語じゃなくても
平気なんだけどぉ」
「あぁ、うん」
薫子が外の看板を片付けて店に戻ると
凪斗と留美が話をしていた。
「お疲れ様。留美ごめんね」
「大丈夫で~す!」
「うん、留美は良い子だからねぇ」
薫子が留美の頭を撫でると
ニコニコと笑っていた。
「宇佐見君は、大丈夫そうかなぁ?」
「はい」
「そう、良かった」
薫子は優しく笑って頷いた。