口説いてんの?

何だこれは?

キスなんて簡単に出来ると思われてる?

いや、私がそんな事しないのは

彼も知っているはずで・・・

じゃあ・・・告白?

でも、彼は今まで告白したことは

ないと言ってた。

本当に試されてるだけなのか?

薫子は、精一杯のプライドを瞳に浮かべ

彼を真っ直ぐ見つめた。

「出来るよ」

「・・・そうですか・・・ハァ」

そう言って、凪斗は身体を上に向けて

遠くを見るような目をした。

薫子は、いたたまれなくなり口を開いた。

「試したの?」

「試す?」

彼は、弾かれたように起き上がり

しかめっ面を近づけてきた。


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