口説いてんの?
ハート 8
薫子は、平静を装い部屋に戻った。
凪斗も猫も見あたらないので
テーブルにトレーを置き
部屋の奥へ進み声をかけた。
「凪斗、ご飯食べよう」
「はい、すいません」
薫子の声に反応して
猫はベットから降りて足元に寄ってきた。
「猫も一緒だったの?」
「ええ」
「俊也でも抱かせないのに
どうしたんだろうねぇ」
「ハハ!猫に好かれちゃいました」
二人で朝御飯を食べていると
凪斗が突然大きな声を出した。
「今日って、月曜日ですよね?
俺、予備校ー!」
「まだ、間に合う?8:00過ぎてるけど?」
凪斗は携帯を取り出すと
片目を瞑って額に手をあてた。