口説いてんの?
「真太郎でしょ?」
「はい。
泊まったって言ったら殴られそうです」
「なんで?」
「実は、真太郎も薫さんが好きなんです。
薫さんが、先生のデート券欲しさに
ボーリングに行く事を怒らなかったので
諦めたとは言ってたんですけど。
真太郎も関係が壊れるのを恐れて
ちゃんと告白しなかったんです。
二人に相談されて困りましたぁ」
凪斗は淡々とした口調で言ったけど
薫子は噴き出していた。
「私って、今、人生最大のモテ期?
そんな冗談みたいな話ってある?
ごめん、笑ったら失礼だね。
でも、二人に告白されても断ったと思うよ」
「え?」
「内緒にする?」
薫子は、ニコッ!と笑った。