口説いてんの?
ハート 9
仕事にも身が入らないし、体調が悪い。
あれから凪斗は、目を合わそうとしないし
勿論、話もしていない。
だけど、バイトを休む事はしなかった。
そんなある日
恵理子さんが心配そうに話しかけてきた。
さすが凪斗のファンだけあって侮れない。
「最近の凪斗君って、楽しそうにしてるけど
目が笑ってないというか
曇ってるというか、なんか違うよね?
悩みでもあるんじゃないのかなぁ?」
「そうなんですかねぇ・・・
最近話してないからなぁ」
薫子は、恵理子さんと目を合さずに答えた。
「そうなのぉ、あんなに仲良かったのに。
喧嘩でもしたの?」
「いえ、そんな事ないですよ。
また、麻雀にでも誘ってみます。
お疲れ様でした!」
薫子は小さく笑って
恵理子さんを見送った。