口説いてんの?

俊也は呆然と立ち尽くし

薫子は泣き崩れてしまった。

俊也は、そんな薫子を見ていられなくなり

そっと近付き肩に腕を回した。

「悪かった。

 面と向って断られると辛いし

 薫子とはダチでいたいしさぁ。

 それに・・・

 好きなヤツがいるんだろ?」

「・・・うん」

「やっぱりかぁ、そんな気がしてた。

 俺じゃないのは分かってたけど

 誰かに取られたくなかったんだぁ」

「・・・うん」

「でも、今だけ抱きしめても良いか?

 ダチとして?」

黙って頷くと、大きな胸に抱き寄せてくれた。

「俊也ー、ごめんねぇ・・・でも・・・

 大好きだよ!大好きだからね!」

俊也は、あぁ、と言いながら背中を

撫でてくれた。


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