口説いてんの?

本気なら怒らなかったんじゃないの?

本気なら我慢出来たんじゃないの?

それとも本気だから怒ったの?

凪斗も、少しは悩んでくれてるの?

少しは後悔してくれてるのかぁ?

それとも忘れてしまったんだろうか?

黙っていた俊也が、いきなり薫子の

背中をバシッ!と叩いた。

「らしくないぞー!好きなんだろ?

 ヤツの気持ちが知りたいんだろ?!」

そう、胸にポッカリと開いた穴は

凪斗にしか埋められないんだぁ。

他の誰かじゃあ埋まらないよ。

だって、凪斗が開けてしまったんだから。

薫子は意を決して口を開いた。

「うん!私、気持ちを伝えたい!

 それと彼の気持ちも理解したい!」

「じゃあ、行くしかないだろっ?!」

薫子は、うん!と言って

とびっきりの笑顔をみせた。


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