口説いてんの?
「違う」
凪斗が呟いた。
「えぇ、じゃあなんで赤くなるの~?」
「留美イジメるな!
凪斗は真面目なんだよ!」
「俺って真面目ですかぁ?」
凪斗は、俊也に不機嫌な眼差しを向けた。
「良い事だよ!な、薫?」
「そ、そうだね」
「ん、どした?何焦ってんだよ?」
「ううん、何でもないけど・・・」
「俺、変わりたいんです。
人前に出ても緊張しないように。
それに、年上の女の人も苦手で・・・」
「薫子~!可哀相に~嫌われてるよ~」
「あぁそっかぁ・・・
気軽に肩なんか叩かれると嫌だよねぇ?
宇佐見君ごめんね」
薫子はペコッと頭を下げた。
「いえ、すいません。
薫さんが嫌いなんじゃなくて・・・」
凪斗はオロオロして目を泳がせていた。