口説いてんの?

今までは、彼氏がいなかったので

俊也と二人で出掛けても

誰にも迷惑を掛けてはいなかった。

だけどもう、そういう訳にはいかない。

凪斗は、朝のおはようメールと

おやすみの電話は欠かさずくれている。

俊也と夕飯に行っても怒りはしない。

本当なら、こうして二人で飲んでいる事も

彼は面白くないのかもしれない。

俊也に言われると、彼は動揺するだろう。

でも、反対することも出来ないので

仕方なく返事をしてしまう。

私のせいで、勉強への集中力がなくなり

もしかの事が起きるとも限らない。

薫子は、どうしても俊也を説得する

義務があると思った。

「凪斗と真太郎が合格したら

 四人で旅行に行こう!

 私達だけ遊ぶのは気がひけるからさぁ?」


< 164 / 225 >

この作品をシェア

pagetop