口説いてんの?
今までは、彼氏がいなかったので
俊也と二人で出掛けても
誰にも迷惑を掛けてはいなかった。
だけどもう、そういう訳にはいかない。
凪斗は、朝のおはようメールと
おやすみの電話は欠かさずくれている。
俊也と夕飯に行っても怒りはしない。
本当なら、こうして二人で飲んでいる事も
彼は面白くないのかもしれない。
俊也に言われると、彼は動揺するだろう。
でも、反対することも出来ないので
仕方なく返事をしてしまう。
私のせいで、勉強への集中力がなくなり
もしかの事が起きるとも限らない。
薫子は、どうしても俊也を説得する
義務があると思った。
「凪斗と真太郎が合格したら
四人で旅行に行こう!
私達だけ遊ぶのは気がひけるからさぁ?」