口説いてんの?

俊也は頬杖をついて

薫子の顔色を窺っていた。

「何か言いたそうな顔だね?」

「なんか、凪斗びいきだなぁと思ってさぁ。

 ハハ!んな事ある訳ないかっ?

 薫子と凪斗なんてなぁ!」

「そうだよ!年下には興味ないし」

薫子は、内心ハラハラしていた。

俊也の視線が横顔から離れないし

まだ、疑いが晴れてないかも。

「ちょっと想像してみた。

 薫子と凪斗が並んでる図を・・・

 案外お似合いかもな?」

「そう?じゃあ付き合っちゃおうかなぁ?」

薫子の冗談に俊也は即答した。

「それは許さない!

 俺の知らないヤツにしてくれ!」

「勝手だねぇ?!」

「そうだよなぁ・・・悪りぃ」

俊也は、頭を掻きながら苦笑いをしていた。


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