口説いてんの?
薫子は、テレビの前に腰を下ろした。
リモコンを操作していると
違うボタンを押したのでゲーム画面が
表示された。
「あっ、これ知ってます。
俺も欲しかったけど買いそびれちゃって」
「そうなの?今日は、一人で暇だから
ゲームしようと思ってたんだぁ。
俊也に誘われたけど断ったし」
「俺も誘われました。スキー」
「え?」
薫子が振り向くと、彼は視線を逸らした。
「薫さんと二人で行っても良いかって」
「行かないよ!行かない!
凪斗が頑張ってるから行けないって
俊也にも言ったんだけどなぁ」
「スキーは行かないけど
ご飯や飲みは平気で行ってる?」
「・・・うん・・・」