口説いてんの?
「俊也さんは友達だと分かってますけど
俺は平気じゃないですよ。
俊也さんとは遅くまで一緒に居るのに
今は、俺が帰る時間ばかり気にして・・・」
彼は不機嫌そうに眉を寄せた。
「凪斗は勉強があるから
早く帰った方が良いかなぁと思ったの。
俊也とは凪斗に悪いと思ったから
今日も断ったし、あまり行かないように
しようと思ってる。ごめん。
でも、俊也も心配してくれてただけで
それ以上の気持ちはないと思うよ。
それに、凪斗と居たくても無理だしぃ」
薫子は嫌味っぽい口調になっていた。
「俺、薫さんに、会いたい、って
言われた事ないですよ?」
「うん、言ったことないよ。
勉強の邪魔したくないし
重荷だと思われたくないから」
それは正直な気持ちだった。