口説いてんの?
留美のリクエストで
オムライス屋に一緒に来てしまった。
俊也と薫子、凪斗と留美が隣同士に座って
薫子は目の前の凪斗と
視線を合わせないようにしていた。
「留美、いつまでか決めたか?」
「う~ん、どうしようかなぁ」
留美は、3年になると大学受験の為に
バイトを辞める相談を俊也にしていて
新しい人が入って慣れるまで
という話になっていた。
「最初は、春休みでって思ってだけど
宇佐見君、面白いからなぁ」
「え?俺?」
凪斗は留美に顔を向け、首を傾げた。
「俺としては、留美はレジも仕込みも
出来るから残って欲しいんだけどなぁ」
「そうよねぇ、留美が辞めるのは惜しい」
薫子も留美を見つめて言った。
「そんな~あたしなんて、ねぇ?」
言葉とは反対に笑顔を零しながら
凪斗に問い掛けた。