口説いてんの?
凪斗が先にお風呂に入り
入れ替わりで薫子が入っていると
両親が帰って来た。
間一髪間に合ったぁ。
薫子はお風呂場から叫んだ。
「友達が泊まるからー!」
母親が洗面所のドアを開けて言った。
「年下の彼でしょー?」
「違うしー!」
「靴でばれてるよっ!」
母親は、甲高い声で笑いながら
リビングへ戻って行った。
靴のチェックまでしてるとは・・・
我が母親ながらヤツも侮れない。
変な想像しながら
一人で含み笑いをしている顔も
見える気がした。
仕方ない、期待に応えましょうか?
お風呂での独り言は
思っているよりよく響いてしまった。