口説いてんの?

「エッチな顔になってるよ?」

薫子が平然と答えると

彼は目を泳がせて言い訳をした。

「なってないですよぉ!

 そんな事思ってません!」

「そんな事って?」

「なんでもないです。

 何しますか?テレビ?ゲーム?」

「どれもしない。

 ベッドで手を繋いで話しよう」

「薫さん?」

「私ね、素直になるよ。

 年下も気にしないし、我が儘も言うよ?

 それでも良い?」

薫子の瞳には、ある決心が浮かんでいた。

「良いですよ。俺も素直になります」

彼は、心の隅まで明るくなるような

笑顔をくれた。

凪斗の笑顔で決心は揺るぎない物になり

薫子も全力で笑い返した。


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