口説いてんの?
ハート 11
薫子と凪斗がベッドで横になると
猫が布団の上にあがり
真ん中で身体を落ち着けた。
子供の頃の話から始まり
笑ったり、ちょっと切なくなったり
少しばかりの嫉妬心を覗かせたりで
楽しいひと時だった。
「タバコ吸ってもいいですか?」
灰皿がないので、キッチンへ降りて
飲み物と一緒に持って上がった。
「飲む?」
「口移しで下さい」
「はい?」
薄暗くてお互いの顔がはっきりと見えない
ので、恥ずかしさが消えたのだろうか?
彼の大胆発言に、薫子は目を白黒させた。
「早く~!」
彼は子供のように甘えた。
薫子は、ジュースを口に含み
そっと彼の顔へ近づいた。