口説いてんの?
「ううん。留美ちゃんは凄いと思うよ。
俺なんかと比べて仕事出来てるって
思うし、お客さんの評判も良いじゃん」
「嬉しい~!みんなに褒めてもらって。
でも、そんなに長くは続けられないけど
あたしの仕事を宇佐見君に教えて
それが出来るようになるまで
って事で良いですか~?」
薫子と俊也は顔を見合わせた。
「そうだよなぁ。
受験あるし引き留められないなぁ」
「でも、宇佐見君は?」
薫子は、俊也にだけ聞こえる声で言った。
「凪斗は大丈夫だよな?
辞めるって言ったら承知しないぞ?!」
「俺に出来ますかぁ?」
「も~、そういう所だよ!
宇佐見君は、もう少し自信持って。
自信がないから人前でも緊張するんだよ!」
「凪斗、俺が仕事も遊びも教えてやるよ!
真面目君嫌なんだろ?」
俊也は身を乗り出した。