口説いてんの?
「今日も会うのか?」
薫子は、一瞬目が宙を舞った。
「ううん、本当は明日なんだ。
女友達っていうのは嘘・・・ごめん」
「そっかぁ」
「ねぇ、俊也の部屋でパーティしようっかぁ?
どうせ予定ないんでしょ?」
俊也は曖昧な笑顔を見せて立ち上がった。
「彼氏に怒られるだろ?」
俊也が薫子の頭をポンと叩いた。
「友達のパーティじゃん!
ちゃんと話せば怒らないよぉ」
「薫子が良くても俺が駄目だ。
今、部屋で二人になったら襲っちまうぞっ!」
「ハハ!何それ?私が裸で隣にいても
その気にならないんじゃなかったの?」
「なんでー?なるだろ普通?!」
俊也の言葉が耳元を通り過ぎ
薫子を縛っていた黒い何かが解けて
足元に落ちたような気がした。