口説いてんの?

「俺、俊也さんに負けないくらい

 いい男になります」

「俊也の話はやめよう。

 初めてのクリスマスなんだから

 もう一度乾杯しよう」

薫子は、二つのグラスにシャンパンを注ぎ

凪斗の隣に腰を下ろした。

『乾杯!メリークリスマス!』

「やっと二人になれた・・・」

薫子は、シャンパンで淡く色づいた顔を

下へ向けた。

「凄い恥ずかしいこと言ったよね?」

「顔上げて下さい」

薫子がそっと顔を上げると

凪斗は、両手で頬を包み深いキスをした。

「・・・アッ・・・」

薫子は、初めてキスをした時みたいに

ドキドキしていた。

迷いも恐怖もない。

私の全部を凪斗にあげたいと思った。


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