口説いてんの?

凪斗へのプレゼントは、パジャマと下着と

ライターを用意した。

彼のプレゼントは、赤い瓶の香水だった。

いつもは、柑橘系の香水をつけていたので

俺とデートする時だけですよ、と笑った。

「薫さんがくれたパジャマ着たいです」

「パジャマくらいでそんなに喜ばなくても」

「だって、泊まっても良いって事ですよね?」

「あぁ、うん、此処専用かな」

彼の笑顔を見ていると、薫子も嬉しくなった。

「じゃあ、先にお風呂入れば?」

「はい!そうします」

彼はパジャマを抱きしめて部屋を出た。

その時、薫子のメールの着信音が鳴った。

俊也からだった。

「俺もクリスマスデート行って来るから。

 だから、俺のことは気にするな!

 楽しいクリスマスを!」

「うん!楽しいクリスマスを!」

いつかちゃんと話すからね、と

薫子は携帯に向って呟いた。


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