口説いてんの?

二人で1本のシャンパンを開け

ほろ酔い気分でベッドに横になった。

他愛の話をしていると

ふと凪斗の手に力が入り、唾を飲み込んだ。

「俊也さんと何かありました?」

薫子も、ゴクリと唾を飲み込み

凪斗を見つめた。

「正直に話してください」

薫子は短く返事をして、天井を向いた。

俊也なら、って思った時もあった事。

凪斗にふられた時、俊也の胸で泣いた事。

友達として大切に思ってる事。

俊也に告白された事を話した。

「揺れましたか?」

「揺れた?」

「薫さんは俊也さんが好きだったんでしょ?

 告白されて悩んだんじゃないですか?

 俺と比べたりしたんじゃないですかぁ?」

彼の声はだんだんと大きくなって

辛そうに額に手を置いた。


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