口説いてんの?
凪斗がそんな事を思っているとは
思いもしなかった。
周りの人にも、そう映るのだろうか?
凪斗にも伝わってなかったのだろうか?
薫子は、凪斗の言葉を黙って待っていた。
「でも、正直に話してくれたので
安心しました。ありがとうございます」
「不安にさせてごめん。
でも、私だって不安だよ?
歳もだし留美と比べると身体だって・・・
大学生になったら周りに女の子も
たくさんいるだろうし・・・
凪斗、モテるんだろうなぁ、って」
「予備校では眼鏡掛けてますから
そんなにモテません」
「嘘?なんで?」
「薫さん以外にモテたくないからです」
「日本語間違ってるよ~?!」
二人は、小さく笑い声を上げた。