口説いてんの?
それからも彼氏は出来たんだけど
最後まではいかなかった。
彼女というより、サバサバした性格で
色黒で背も高いので
友達感覚なんだとよく言われた。
それに、女の子にモテた記憶もある。
だけど、凪斗みたいな真面目な子が
童貞じゃないのはショックだった。
「薫子、聞いてるか?」
俊也に肘を突かれ現実に戻った。
「何?」
「留美がさぁ、凪斗が気になるんだって」
「えぇ?そうなの?」
「彼女もいないんだって!
だから、付き合えば良いじゃんって
俊也さんが・・・」
「あぁ、二人が良ければ・・・ねぇ」
「俺は・・・留美ちゃんの事よく知らないし」
凪斗は、後ろ頭を抑え困惑していた。
「そういう所が真面目君なんだよ!
デートしてみて、良かったらって話だ」
「そうだよ、友達からね」
留美が笑顔を向けると
凪斗は曖昧な笑顔を返した。